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暦についてのアレコレ

■暦の語源

こよみの語源としてまず著名なものは、貝原益軒の説で、「暦 こまかにかきたるをよむなり」(「日本釈名」)とあって、細読み(こまよみ)から、こよみになったとしている。しかし、日本語のこよみの語源には諸説ある。

■新暦と旧暦

新暦とは新しく使用され始めた現行の暦法であり、旧暦とはこれまで使っていた暦法を指す語です。ヨーロッパでは、グレゴリオ暦を新暦New Style、ユリウス暦を旧暦と呼んでいる。明治以後の日本では、現行グレゴリオ暦が新暦、その前の天保暦が旧暦と呼ばれる。グレゴリオ暦は太陽暦法であるのに対し、天保暦は太陰太陽暦にもとづく暦法であるため、この場合の新暦と旧暦の相違は大きな違いがある。

■なぜ一年は365日なのか?

よく「一年365日 ……」というが、これはもちろん太陽暦をもとにしての話。 太陽暦は太陽の運行をもとにして組み立てられ、太陽が一周してもとの位置にもどってくるまでの期間を太陽年または回帰年という。しかし、実は太陽の周りを地球がまわっているのであって、地球が太陽を中心として一周する期間が一太陽年なのである。太陽年は365.24219…日なので、概略365.2422とされる。しかし、暦のうえで一日以下の端数は切り捨てるか切り上げるしかないから、一年の日数は365日か366日とする。

■なぜ一年は12カ月なのか?

月の朔望(みちかけ)は、おおよそ29日半だから、29日の小の月と30日の大の月を組み合わせた12カ月は354日の一年となる。この月の朔望の周期をそのまま一カ月とした太陰太陽暦の習慣が、太陽暦になってからもそのまま引き継がれて、一年は12カ月となっている。

■一年の始めはいつか?

古今東西それぞれの国家民族集団で、気候・自然条件・宗教・経済・文化等々の理由で、最も都合のよい時点を一年の始めとしている。一般に春、農耕の始めを新年とする例が多く、中国では立春をその起点に求め、中近東やヨーロッパでは春分を年始とした。古代エジプトでは、エジプトの気候によってではなく、上流の降水によるナイル河の増水と洪水を目標としていた。現在行われているグレゴリオ暦の新年は、ユリウス暦のそれを継承したものである。ユリウス暦より以前のローマでは、春分を含むマルチウス(3月)から一年が始まった。ところが、一年制の執政官(コンスル)の任期が新年の二ヶ月前に始まるところから、政治年度の始めと常用暦の新年と二本立てのような形になり、カエサルによるユリウス暦導入にあたって、政治優先の形で、常用暦の新年を二ヶ月繰り上げて、政治年度の新年であるヤヌアリウス(1月)の1日としてしまった。このように現行暦の1月1日は、まったく人為的につくられたもので、天文学的にも気象上からも、まったく意味のない時に置かれている。

■1ヶ月の始めは?1日の始まりは?

※一ヶ月の始めは?
太陽暦では、月の始めと天文学的な関連は特にないが、太陰暦や太陰太陽暦の場合は、天空の月のみちかけと関係している。一般的には新月が見えた時を一ヶ月の始めとするが、中国では伝統的に朔(さく)という天文学的現象をもって一ヶ月の始めとする。中国暦の影響を受けた諸国も同様に朔(さく)を月初としている。一方、スリランカやインドの地方暦では、満月から1ヶ月を始めるものがある。
※一日の始まりは?
一日の始まりをいつにするかは、時代により土地によりさまざまである。ユダヤ暦やイスラム暦では日没を一日の始めとしているが、これは日中暑く、夜間涼しくなる乾燥地帯の気候に由来するものであろう。江戸時代における庶民の生活では、明け六つが一日の始まりであったから、実際に夜が明けて一日の生活が開始される時刻が一日の始めとされたわけである。明治6年1月1日から太陽暦が実施され、それにともなって時刻法も西洋式の昼夜24時制となった。日の変わり目も同時に午前0時となった。